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論文┃第1章 地方税財源の現状と推移①

第1章 地方税財源の現状と推移 ①

第1節 地方税の現状

 国と地方の歳出純計総額は、平成13年度決算で153.3兆円であり、そのうち、国の歳出は57.4兆円で歳出総額の37.4%であったが、地方のそれは95.9兆円であり、歳出総額の62.6%を占めていた。日本の財政の歳出規模、つまり国民への公共サービスの供給という実際上の事務は、地方団体がその3分の2程度を担っている。

一方、租税収入は、同年度税収総額85.5兆円であり、そのうち、国税収入は50.0兆円で58.4%を占め、地方税については35.5兆円であり、41.6%を占めるに過ぎない。地方財政の歳出規模の大きさから比較すると、租税収入の配分は充分であるとは言い難い状況である。この歳出と租税収入との乖離の大半は、図1に示されるように、公債収入、あるいは地方交付税や国庫支出金などの国からの財政移転によって補填されている。

主な地方歳入項目は、地方税、地方交付税、国庫支出金、地方債から構成されている。国庫支出金と地方債は使途目的が特定される特定財源であるのに対し、地方税と地方交付税は地方団体にとっては使途目的が制約されない一般財源とされている。

図2によれば、平成13年度の地方歳入の構成は、地方税35.5%、地方交付税20.3%、国庫支出金14.5%、地方債11.8%となっている。地方税収は、バブル景気には40%台であったが、現在では35%前後に停滞している。地方交付税は平成10年度までは16~17%の水準で安定していたが、近年では20~22%の間で推移しており、また地方債は平成8年度以後、地方税収の停滞を契機に高い水準で推移している。

 地方団体の財源として最も重要でかつ自主的なものは地方税である。地方団体を公権力体として捉えるならば、強制的に賦課徴収される地方税こそ、当該地方団体の財政実態を表すものであると考えられる。その意味で、分権化社会の地方財源を展望するに当たっては、地方税をどのように位置づけるかが極めて重要な問題となってくる。

まず、この四半世紀における地方税の推移のうち、顕著な特徴として、第一に、歳入規模の膨張を指摘することができる。この間の一人当たりの国民所得は約3倍であるが、地方団体の場合は約4倍の規模となっている(税収では、国税が3.5倍、地方税が4.4倍)。さらに、地方税に関しては、比率・額共に右肩上がりの伸びを示していたが、バブル経済崩壊後、その比率は減少し、額は横ばいとなっている。つまり、いわゆるバブル経済崩壊後は、地方税収の自然増は期待できない状況にあるといえる。

第二に、地方の歳入決算額の構成比を基準として、地方税比率の低さを指摘することができる。平成3年度頃までは40%台での推移であったが、ここ10年間では30%台を推移しているに過ぎない。その他、地方債の比率が大きい点も顕著な特徴として挙げることができる。この水準で推移すれば、公債費負担比率 はさらに悪化し、財政構造の硬直化が深刻な問題となるものと予測される。

 また、道府県税収入額および市町村税収入額の税目別の推移に関しては、図3・4の通りとなっている。いわゆるバブル経済頃まで、事業税と住民税の伸びが地方税の伸びを支えていた。その後、道府県税の場合には両税の落ち込みによって全体の税収額も下落するが、地方消費税の導入によって若干の回復傾向にある。しかし、税収のこれ以上の自然増は期待できない状況にあり、一つの打開策として法人事業税の外形標準課税が平成16年度から一定の法人に対して導入されることとなった。

 一方、市町村税は、住民税の落ち込み分を固定資産税の増加が補う形になっているため、微増の傾向を維持している。しかし、このような固定資産税のあり方については、7割評価や評価手続きの面で再検討の必要性が指摘されている。つまり、これらの観点から、今後の地方税の自然増収は期待できない状況にあり、特定の税目が他の税目をカバーできる状況でもなくなっていることがうかがえる。そして、かつて例を見ないほど地方債比率および公債費負担比率が高まっており、抜本的な打開策がとられない限り、地方財政は破綻状態に直面することになると考えられる。

※2 公債費に充当された一般財源が一般財政総額に対し、どの程度の割合となっているかを示す指標で、一般的に15~20%が危険状態、20%以上が破綻状態といわれる。
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